題字 「英語論文執筆プロジェクト」
2019年度

・ 英語論文執筆プロジェクトとは
・ 小野ゼミにとっての英論
・ 
2019年度の研究テーマ
・ 研究経過報告
・ KSMS@ソウル
・ 活動後記


英語論文執筆プロジェクトとは


 英語論文執筆プロジェクト(略して「英論」)とは、一人でも多くの人に論文を見てもらいたいというゼミ生の熱い思いから、マーケティング発祥の地アメリカの主要な言語である英語で論文を執筆し、日本の学界のみならず海外の学界に投稿し、海外の学界で発表することを目標とした研究プロジェクトです。 テーマのみならず、投稿先までも自分たちで決定することができるのが本プロジェクトの大きな特徴の一つです。 学部生による海外の学会への論文投稿は塾内の商学部のゼミでは行われておらず、小野ゼミ独自の試みといえます。 小野ゼミ7期生有志が2008年一杯で廃止となった「電論」に代わって立ち上げることを先生にお願いし、許可を得2009年度から始めた最も新しい研究プロジェクトです。

 以来、第7期生 (2009年度) は、International Association for E-Business Annual ConferenceにてOutstanding Paper Awardを受賞して、Journal of E-Businessに論文を掲載、第8期生 (2010年度) は、International Journal of E-Commerceに論文を掲載、第9期生 (2011年度) は、GAMMA Global Marketing ConferenceおよびAMA Winter Marketing Educators' Conferenceに出場、第10期生 (2012年度) は、EMAC Annual Conferenceに出場、第11期生 (2013年度) は、SMA Annual ConferenceAMA Winter Educators' Conference、およびICAMA Annual Conferenceに出場し、ICAMA Honorable Mentionを受賞、第12期生 (2014年度) は、KSMS International ConferenceICAMA Annual Conference、およびSMA Annual Conferenceに出場し、KSMS Best Symposium Paper Awardを受賞、第13期生 (2015年度) は、KSMS International ConferenceGAMMA Global Marketing Conference、およびICAMA Annual Conferenceに出場し、Tourism Managementに論文を掲載、第14期生 (2016年度) は、KSMS International ConferenceGAMMA Global Fashion Management Conference、およびAMA Summer Educators' Conferenceに出場し、International Journal of Advertisingに論文を掲載、第15期生 (2017年度) は、GAMMA Global Marketing Conferenceに出場、第16期生 (2018年度) はKSMS International Conference出場、という輝かしい研究業績を残してきました。



小野ゼミにとっての英論


 「英論」プロジェクトを立ち上げた目的は、マーケティングの最先端であるアメリカの研究事例を学び、さらに自分たちで論文を執筆し、マーケティングの本場アメリカに挑戦することです。 英語論文プロジェクトでは、プロジェクトの設立から、テーマの設定、さらには論文投稿先の選定まで全て自分たちで行います。 したがって、ゼミ生の強い自主性と向上心の上で成り立っている難易度の高いプロジェクトといえます。 我々は、このような活動を通して、小野ゼミを世界に通用するレベルの高いマーケティング研究会にしたいと考えています。



2019年度の研究テーマ


「確定インセンティブと不確定インセンティブの複合
            ―不確実性
の行動促進効果の再検討―」
英語論文プロジェクト・チーム

 古典的なセールスプロモーションには、消費者が必ず獲得できる「確定インセンティブ」と、抽選で獲得できる「不確定インセンティブ」の2種類が存在し、既存研究は、これらのうち、いずれが有効であるかを論じてきた。 しかしながら、近年、消費者が「確定インセンティブ」を獲得でき、さらに「不確定インセンティブ」を獲得できるという言わば「複合インセンティブ」を導入する企業がみられる。 この形態は有効であろうか。 本論は2つの実験を通じて三者間比較を試みる。


研究経過報告


研究経過報告については、
インゼミ (慶応四分野インゼミ研究報告会) のページ
ご覧ください。

KSMS@ソウル!


1115

 韓国1日目。 僕たち17期英論チームは成田空港に集結し、朝9時に韓国へと飛び立った。 空港に前泊したメンバーも多かったため、機内ではほぼ全員が爆睡。 前泊している間に学会発表の練習もできたので、安眠できているようだった。
 韓国に着き、少々浮足立ちながらホテルへと向かった。 韓国は想像以上に寒く、コートを持ってこなかったメンバーは早々に後悔していた。 電車の椅子がかなり固く、移動中日本のふかふかの椅子が恋しくなったりした。
 荷物を置き、夕食を食べるために明洞へ。 どこも混んでいて、にぎやかな夜の明洞を彷徨うこととなったが、入ったお店のサムギョプサルは最高に美味しかった。 キムチも食べ放題だったが、日本に比べてかなり辛く、大して食べられなかった。 他にもビビンバやチヂミを頼んで、皆で分けて食事を楽しんだ。 途中で日本にいるメンバーから三田祭論文に関する電話が来て、一気に現実に引き戻されたりもしたが。
 夕食後は、男性陣はホテルへ戻ったが、女性陣は買い物へ繰り出していた。 明洞で買いたかったコスメや洋服を、思い思いに購入できたようだ。 長い時間ではなかったが、韓国を満喫することができて良かったと思う。
 ホテルに帰った後は、翌日に控えた学会発表に向けて、それぞれの部屋で夜中まで練習した。 パワーポイントの最終確認や、翌日のスケジュールの確認を行い、万全の状態で就寝。 初めての海外学会、緊張はあるが、今までの努力を無駄にはしない。きっとうまくいく、そんな自信を胸に、1日目が終了した。

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成田空港のサンタとパシャリ!
いよいよ出発!
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移動中も練習!とお菓子。
夕食はサムギョプサル!
1110

 韓国2日目。 KSMS当日である。 初めての学会発表の緊張からか、行きの電車で腹痛に悩まされる僕。 会場に着いたら受付で名札をゲットし、お昼ご飯のお弁当を食べて大学内を散歩。 お昼ご飯はお弁当かビビンバか選べたのだが、どちらも想像以上に美味しかった。 また、記念撮影を行い、映える写真を確保できたのでガールズ達もご満悦。
 肝心の学会発表は緊張しながらも普段通りにできた。 5人で発表することに驚かれたりもしたが、事前に小野先生や先輩方から学会の流れを聞いておくことができたので、僕たちだけでも焦ることはなかった。 僕たちのタームが早めに終わったので、別のタームの発表を聞きに行ったりもできて、興味深かった。
 緊張も解けて、いつのまにか腹痛も回復し、レセプションのディナーに舌鼓。 立食式でなかなか素敵な夕食となった。 KSMSの閉会も近づき、表彰式の時間。 事前に小野先生から、賞をもらえるのは学者や大学院生達だけと聞いていたので、特に自分たちには関係ないことだと思い込んでいた。 そんな中遠くから表彰者たちを眺めていると、司会者がHybrid incentives的なことを言った気がした。 まさかとは思ったが、信じられないことに僕たちの論文が、Best Conference Paper Award に選ばれたのである。 慌てて英論班全員で司会者の元へ駆け寄り、記念撮影をした。 この時、執筆に捧げた数ヶ月間、投げ出したくなることもあったが、諦めずにやってきて良かったと心の底から思った

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開会式に参加!
最終確認中の我らが論文代表
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大学前で集合写真!
いよいよ発表!
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レセプションのディナーおいしい!
賞をいただきました!
1111

 韓国最終日。 前日ホテルで遅くまでホラー映画鑑賞会を行った影響で、全員が寝坊し、11時のチェックアウトに危うく間に合わないところであった。 最終日だし観光でも、という淡い期待は自分たちの寝坊により砕かれ、空港に直行することとなった。 あと2分で搭乗締切という本当にぎりぎりのところで飛行機に乗り込み、帰路についた。
 飛行機の中では、KSMSへの感慨にふけっていた。 今回初めて自分たちの論文を評価してもらえて、小野先生からもメールで「おめでとう。」というお言葉をいただき、実り豊かな学会発表となった。 これから三田祭論文の執筆も佳境に入っていくが、この達成感をモチベーションに頑張っていこうと強く思った。


研究を終えて

森 直也
 「何が楽しいのだろう」私は論文代表として約6ヶ月に及ぶ論文活動に取り組んだが、そう感じたことがある。 消費者行動に関する日常の関心から仮説を提唱し、それが妥当かどうかを既存研究に則した形で実験を行うことで検証する。 悪くはなかったが、楽しいと感じるための何かが決定的に欠けていた。
 私は高校時代テニス部に所属し、県大会出場を目指して学生生活の大半をテニスに費やしてきた。 スポーツの目標は勝つことだ。 相手に勝った喜びを励みに、負けた悔しさをバネにすることで地道な練習にも打ち込むことができた。
 ところが、論文活動には勝ち負けがない。 学者に世界ランキングがないように、論文を執筆することにおいて順位付けされることはない。
 スポーツの本質は、強くなることだ。 練習を積み重ねて、出来なかったことができるようになる。 実力をぶつけ合うことで、自分の強さを計る。 強くなったことを実感したときの快感こそがスポーツの醍醐味のはずだ。 では、順位付けのない論部活動において、一体どこで強さを実感できるのか。
 私は
KSMS国際学会で発表を経てようやく論文活動の魅力に気づいた。 初めての論文発表、しかもその発表を全て英語で行うという挑戦を成功させるために綿密な計画を建てて挑んだが、分かりやすく伝えることの難しさに幾度となく直面した。 相手に違和感なく研究内容を理解してもらえるだろうか、と英語の表現や構成、発表資料の隅々まで仲間とともに試行錯誤した。 この努力の甲斐あって、本番では学者達に理解を示してもらえただけでなく、なんと学部生は滅多にもらうことができない論文賞を頂くことができた。 このとき、私は「勝った」と思った。
 論文活動とは勝負だ。 論文への理解が足りなければ、相手に研究内容を理解してもらえないだけでなく、容赦なく飛び交う指摘に対応することができない。 だが諦めずに努力を積み重ねていけば、他者から認めてもらう、つまり勝つことができる。 論文活動は間違いなくスポーツだった


江碕 舞香
 昨年の4月の自分にこの半年間を話すとしたら、「二度と戻りたくはないが、避けては通りたくなかった、そんな毎日だった」、そう話すだろう。
 この半年間は“初めて”がいっぱいの毎日だった。 今まで自分で決めた目標に向かって自分個人で努力することは幾度となくしてきたことだが、集団で一つの目標を達成することは本当に人生で初めての経験だった。 チームには自分よりも頭のいい人が何人もいて、資料作成が得意な人、発表が上手い人、自分よりできることがたくさんある器用な人が何人もいた。 特に秀でた才能もなかった自分がどのようにチームに貢献できるのか、模索し続ける毎日であったように思う。 そしてその度に自分の無力さを痛感する毎日でもあった。 楽しい、輝かしい記憶よりも、辛かった、もがき続けていた記憶の方が圧倒的に多い。 しかし、そんな毎日を今となっては大変愛おしく思う。 できなかったことができるようになったり、初めての集団行動の中で今までは気づかなかったような自分の悪いところに気づいたり、辛かった時に支えてくれる友人や家族の優しさや大切さに気づいたり、小野ゼミに入らなければ決して出会えなかった時間がたくさんあったからだ。 そうした意味で、私が大切にしている「自由の追求」とは、まさにこの半年間そのものであった。 「何にも縛られない」という意味の“自由”ではなく、「自分の可能性を広げる」という意味の“自由”だ。 今までできなかった“初めて”に挑み、失敗を繰り返し、もがき続け、乗り越えてきたこの半年間が、これから先、困難なことに挑戦する未来の自分の不安や怯懦といった不自由を払拭し、自由に生きるための原動力となると、信じている。
 最後に、半年間支えてくださった全ての人に感謝の気持ちを伝えたい。 特に、我らが論文代表である森くん。 半年間、ずっとみんなを引っ張ってくれてありがとう。 森くんの、どんな時も目標に向かってひたむきに努力し続ける姿から本当に多くのことを学びました。 そして半年間一緒に活動してくれた英論班のみんな、どんな時も熱心に指導してくださった小野先生、
16期の先輩方、大学院生の皆さまに心から感謝申し上げます。 ありがとうございました。

古橋 実咲
 自分の気の合う仲間と一緒にいればいいサークルとは違い、自分の性質とは全く異なった人たちとともに活動していく必要があるゼミという環境。 良くも悪くも、小野ゼミに入らなければ一生経験することが無かったであろう出来事が沢山あった。
 英語論文活動も、そのうちのひとつである。
 私がこの論文活動を通して感じたことは、「多種多様なメンバーとうまく協力しあって一つのものを作り続ける難しさ」だ。 これは、それぞれがもつ強みとか能力とかそういう話ではなく、人間の根底にある価値観の話である。
17期英語論文チームは、全く価値観の異なる人間が集まったチームだった。 善悪や損得の基準、自分本位か他人本位か、責任感の度合いなど、長い時間を共有することで、各メンバーの知りたくないところまで知ることとなった。 その上で、各々の妥協点を模索しながら、決して楽ではない道のりを共に歩んでいくのは、非常に困難なものであった。
 しかし、色々なことがあった中で無事レベルの高い論文を書きあげることができたのは、メンバーの皆さんがそれをリカバーするほどの優秀な能力を持っていたからだと思う。素晴らしい英語力、プレゼン力、執筆力、思考力、資料作成能力など……本当に頭のいい人たちが集まったチームなんだなと思った。 そんなチームに少しでも携われた自分を光栄に思った。
 そうして悩みに悩んでやっと完成させた論文が、海外の一流の研究者に認められ賞まで頂いた、それに少しでも携わることが出来たという英語論文の経験は、私にとってほんとうにかけがえのないものとなった 。毎度ご相談させていただく時間をはじめ、深夜まで恵比寿のマックで添削をして下さるなど、多大なるご助力を頂いた小野先生、何度も相談にのっていただき、時には夜中まで執筆を手伝ってくださった柳原さんをはじめとする先輩方、貴重な経験を共有することが出来た英語論文チームの皆さん、本当にありがとうございました



17期 英語論文執筆
プロジェクト・メンバー:
森 直也 (代表)
江碕舞香
古橋実咲

2020922

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