題字 「英語論文執筆プロジェクト」
2019年度

・ 英語論文執筆プロジェクトとは
・ 小野ゼミにとっての英論
・ 
2024年度の研究テーマ
・ 研究経過報告
・ 学会発表

・ 活動後記


英語論文執筆プロジェクトとは


 英語論文執筆プロジェクト(略して「英論」)とは、一人でも多くの人に論文を見てもらいたいというゼミ生の熱い思いから、マーケティング発祥の地アメリカの主要な言語である英語で論文を執筆し、日本の学界のみならず海外の学界に投稿し、海外の学界で発表することを目標とした研究プロジェクトです。 テーマのみならず、投稿先までも自分たちで決定することができるのが本プロジェクトの大きな特徴の一つです。 学部生による海外の学会への論文投稿は塾内の商学部のゼミでは行われておらず、小野ゼミ独自の試みといえます。 小野ゼミ7期生有志が2008年一杯で廃止となった「電論」に代わって立ち上げることを先生にお願いし、許可を得2009年度から始めた最も新しい研究プロジェクトです。

 以来、第7期生 (2009年度) は、International Association for E-Business Annual ConferenceにてOutstanding Paper Awardを受賞して、Journal of E-Businessに論文を掲載、第8期生 (2010年度) は、International Journal of E-Commerceに論文を掲載、第9期生 (2011年度) は、GAMMA Global Marketing ConferenceおよびAMA Winter Marketing Educators' Conferenceに出場、第10期生 (2012年度) は、EMAC Annual Conferenceに出場、第11期生 (2013年度) は、SMA Annual ConferenceAMA Winter Educators' Conference、およびICAMA Annual Conferenceに出場し、ICAMA Honorable Mentionを受賞、第12期生 (2014年度) は、KSMS International ConferenceICAMA Annual Conference、およびSMA Annual Conferenceに出場し、KSMS Best Symposium Paper Awardを受賞、第13期生 (2015年度) は、KSMS International ConferenceGAMMA Global Marketing Conference、およびICAMA Annual Conferenceに出場し、Tourism Managementに論文を掲載、第14期生 (2016年度) は、KSMS International ConferenceGAMMA Global Fashion Management Conference、およびAMA Summer Educators' Conferenceに出場し、International Journal of Advertisingに論文を掲載、第15期生 (2017年度) は、GAMMA Global Marketing Conferenceに出場、第16期生 (2018年度) はKSMS International Conferenceに出場、第17期生 (第2019年度)は、KSMS International Conferenceに出場し、Best Conference Paper Awardを受賞、第18期生(2020年度)はEMAC(the European Marketing Academy)Annual Conferenceに出場、第19期生(2021年度)はInternational Conference of Asian Marketing Associations 2022 JEJUに出場、第20期生(2022年度)は、GAMMA Global Marketing Conferenceに出場、第21期生はKSMS International Conferenceに出場という輝かしい研究業績を残してきました。



小野ゼミにとっての英論


 「英論」プロジェクトを立ち上げた目的は、マーケティングの最先端であるアメリカの研究事例を学び、さらに自分たちで論文を執筆し、マーケティングの本場アメリカに挑戦することです。 英語論文プロジェクトでは、プロジェクトの設立から、テーマの設定、さらには論文投稿先の選定まで全て自分たちで行います。 したがって、ゼミ生の強い自主性と向上心の上で成り立っている難易度の高いプロジェクトといえます。 我々は、このような活動を通して、小野ゼミを世界に通用するレベルの高いマーケティング研究会にしたいと考えています。



2024年度の研究テーマ


「果たして製品パッケージデザインは単純な方が良いのか」
 先行研究によると、消費者は、単純な製品パッケージデザインを手がかりとして使用しつつ、ピュリティの水準が高いと知覚するため、WTPは高いという。しかし、単純な方が常に好ましいのであろうか。本研究は、製品パッケージデザインの単純性がWTPに与える影響を再検討するに際して、ピュリティに加えて、エンリッチメントとフォーティフィケーションも導入する。さらに、これらの製品プロパティの水準の高さに関する強調表示が、製品パッケージ上に記載されているか否かも考慮する。

学会発表

 7月24日から27日にかけて、香港にて2025 GMC(Grobal Marketing Conference)が開催されました。私たちのプレゼンは、3日目の26日でしたが、観光日を含め4日間、香港に滞在することになりました。以下からは、香港での思い出を振り返っていきたいと思います。

◎1日目
 終電で羽田空港に集合し、みんなでトランプをしたり他愛のない話をしたりして、私たちは深夜に日本を出発しました。早朝に香港空港に到着し、朝ごはんとして、空港でかのが調べてくれていたお店で、エビワンタン麺やお粥をいただきました。とっても美味しく、日本にはない初めて食べる味で、海外に来たのだなと実感できた場面でした!その後は、空港からバスで、香港島へと向かいました。市街地は、高いマンションが立ち並び、2階建ての路面電車が走っており、新鮮な風景にワクワクしました!そして学会が行われているホテルに向かい、小野先生ご夫妻と北澤さんの研究発表を拝見し、いよいよ待ちに待ったディナーの時間となりました。非日常的な空間でいただく豪華なコース料理はとても美味しく、様々な国の方々とお話しすることができた貴重な経験でした!ここで、そうまは香港美女に出会い、猛アタックをしており、普段のそうまとは違った積極的な姿に驚きました。そんな素敵な出会いもあり、ドキドキの1日目は幕を閉じました。

◎2日目
 2日目は、いよいよ発表当日です。私たちの出番はお昼だったので、朝は各々の時間を過ごし(私はかのとエッグタルトを求めてお散歩をした優雅な朝でした!)、9時ごろに集合し会場であるホテルに向かいました。最後の確認と練習を終え会場に入り、セッションが始まると、他の発表者の方々が流暢な英語で堂々とプレゼンをしており、その雰囲気に大変緊張しました。ですが、いざ本番では、小野先生が見守ってくださっている中、練習の成果を発揮し、なんとかプレゼンを終えることができました!プレゼン後は、オーディエンスの方々や、セッションの司会をしてくださった先生方から多くのお褒めの言葉をいただくことができ、自分たちが長い時間をかけて向き合ってきた三田論が、広く認められたような気がして、大きな達成感を得ることができました!プレゼン後は、小野先生と一緒に学会のランチをいただきました。ほっとした気持ちで食べたランチはすごく美味しかったです!その後は、香港の有名な観光スポットである、ヴィクトリアピークへと向かいました。斜面を登るトラムに乗って到着した頂上では、100万ドルの夜景と呼ばれる、美しい香港市街地の夜景が広がっていました!ただ、その日は霧と風がひどく、だいぶ白んでいたことも、振り返ればいい思い出です。そんな盛りだくさんだった2日目も、あっという間に幕を閉じました。

◎3日目
 3日目は、朝から皆でディズニーに行きました。日本とは違い、各エリアが時間ごとに少しずつ解放されていく香港ディズニーの形式に少し驚きましたが、王さんがお勧めして下さったアトラクションを制覇するべく駆け巡りました。ジェットコースターも含めてどの乗り物も40分程度で乗れるので、程よく会話やゲームをしているとあっという間にアトラクションに乗れました!個人的に一番面白かったのは、香港版ビックサンダーマウンテンです。思っている以上に乗車時間が長いうえに、ドキドキ展開があったのでまた乗りたいです。午後、そうまは猛アタックした香港美女とパークを巡るために一人去っていきました。私たちが夕方に5人でアトラクションに並んでいると、そこには二人の世界に入っているそうまと香港美女がいました!待ち列の仕組み的に何度もすれ違う必要があったので、私たちは二人の世界を邪魔しないように必死で隠れながら、なんとかアトラクションにたどり着きました。そしてアトラクションが終了した21:00からは香港ディズニーの目玉と言っても過言ではないショーを楽しみました。迫力満点の演出で、プロジェクションマッピングもとても美しく素晴らしいショーでした。ディズニー終わりの最後の夜は皆でカードゲームなどして楽しみたかったのですが、全員疲れ果てていたのでお風呂じゃんけんをして勝った人から一日の汗を流して深い眠りにつきました。

◎4日目
 
いよいよ、香港旅も最終日となりました。最後の最後まで充実させるべく、かのお勧めのレストランに皆で向かいました。お店は、香港のお客様でとても賑わっていて、スタッフの方も気さくに話しかけて下さりとても素敵でした。春巻きやシュウマイ、おかゆなどどの料理もとても美味しくて、値段気にせず食べたいものをバンバン頼んでドカ食いしました。お腹が膨れたあとは、買いたいお土産を求めて別行動をして、空港で落ち合うことになりました。空港で23期へのお土産を買って、余韻に浸りながらゆっくりと歩いていたら、飛行機の離陸時間が迫っていることに気づきました。私たちはもちろん格安航空なので、空港の端にある搭乗口に向かって、最後の力を振り絞って全力疾走しました。飛行機内ではアニメを見たり眠ったり各々の過ごし方をして、無事に日本に帰国しました。今振り返ってみても、最高に楽しくて充実した4日間であったなと思います! 最後になりますが、この場をお借りして、小野先生、王さん、北澤さん、兪さん、23期の皆さんに、今回の学会発表の準備にあたってご助力いただいたことへの感謝の念をお伝えします。原稿や発表資料、プレゼンに対する度重なるご指導と、学会での立ち振る舞いについて多くのご助言をくださり、誠にありがとうございました。引き続きご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

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我らが院生のお二人!
素敵な小野先生とかねちゃん!
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ポスター発表前の王さん!
ひなたから始まる22期の発表!
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発表を終えて素敵なディナーです!
小野ゼミ自撮り―!
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研究を終えて

井上 岳哉
 本当に長かった。私たちは3年だけでなく、4年のほとんどの時間をかけて三田祭論文執筆活動を終えた。研究を終えたあと、達成感や自身の成長を感じるのが当たり前かもしれないが、私は正直、「やっと終わった。長かった。」という感情しか湧かなかった。三田祭論文執筆活動を通して私が学んだことは、自分の無力さと、仲間の頼もしさである。私は、中学受験も大学受験も満足のいく結果だったので、それなりに頭はいい方なのかなと勝手に思っていた。しかしゼミに入り、同期と三田論を書き進める中で、本当に自分が何もできない人間であると悟った。論文を書く能力もなければ、分析をする能力もない。先生のおっしゃることが理解できないことも多々あり、本当に必死で食らいついていた。それでも最後までやりきることができたのは、間違いなく周囲の存在があったからだと思う。同期は、皆本当にすごい。私はすぐ「まあこれでいいんじゃない?」と思ってしまう人間だが、皆は三田論を一言一句見て、疑問点や改善点を次々と挙げていく。「確かに」と思いながら、よくそこまで考えられるなと感心することばかりだった。自分一人では到底辿り着けなかった場所まで連れていってくれたのは、間違いなく同期の存在である。本当にありがとう。また、院生の先輩方、21期の先輩方も、いつも的確なご指導をくださり、本当にありがとうございました。自分では気づけない視点を何度も示していただき、そのたびに論文が一段深まっていくのを感じました。
そして最後に小野先生。至らない点が多い私たちを最後まで見捨てることなく、丁寧にご指導くださり、本当にありがとうございました。
井原 真衣
 実に1年以上の遅れでついに三田論が完成した今、その達成感は正直なところあまりなく、長かった、その一言のような気がします。4年の12月に三田論が完成するという前代未聞の結果となり、不甲斐なさと申し訳なさがやはり大きいです。私は三田論代表という立場にありながら、まとめることも、先生と円滑にコミュニケーションをとることも、明確なスケジュールを立てることも、全く上手くできず、役割を果たせていたかと言われると、決してはいとは言えません。本当に頼りない代表で、同期のみんなには、迷惑をかけっぱなしだったと思います。それでも、この前代未聞の2年間にわたる三田論執筆活動を、なんとか最後まで一緒に乗り越えることができたのは、紛れもなく同期のみんなのおかげです。ここからは、そんなみんなにメッセージを送らせてください。りんこは、本当に正直者で芯が強くて、どんな状況でも前を向いていて、ポジティブでい続けてくれました。行き詰まってどうしようもなくなったときも、りんこの存在があったから「きっとなんとかなる」と思えました。本当にありがとう。そうまは、1番ちゃんと話を聞いてくれて、1番優しい人だと思います。どんなに深夜になっても全然いいよとやってくれて、私が困った時にはいつでも「大丈夫?」と声をかけてくれて、いつも本当に救われていました。本当にありがとう。ひなたは、ゼミ長として常に前に立ち、私が何もできていないときも、どんな場面でもカバーしてくれました。文章のことはひなたに聞けばなんとかなるし、いつも最初に相談するのはひなたでした。みんなもそうだと思うし、そう思える絶対的な信頼があります。本当にありがとう。かのは、誰よりも仕事が早くて、かのに相談すればなんでも大体のことは解決する安心感がありました。マケ論で忙しい中でも、嫌な顔ひとつせず誰よりも動いてくれたし、私が辛いときも隣にいてくれました。帰りに一緒に大学前の道を走って、油そば特盛を食べた時間は忘れません。本当にありがとう。ななかは、分析はもちろん、他の誰よりも三田論を深く理解していて、適当で楽観的すぎる私たちの中で、ななかがいてくれたからこそ、ちゃんとしないとと思う場面がたくさんあったし、22期はななかがいないと成り立っていません。何もできていない私に、いつも「ありがとう」と言ってくれて、その言葉に、毎回救われていました。本当にありがとう。辛いこと、苦しいことの方が多かったですが、完成が遅れたことも、全部含めて、私にとってこの2年間はかけがえのない時間、財産です。22期のみんなと一緒に三田論に取り組めたことを心から誇りに思っています。本当にありがとうございました。
井原 真衣
 実私にとって、「三田論執筆活動」は何だったのであろうか。22期にとって、「三田論執筆活動」は何だったのであろうか。卒論の執筆が終わり、肉体的にも精神的にもやや落ち着くことのできた2月某日、そんなことを考える機会があった。友人と食事をしていたあるとき、「小野ゼミに入って良かったと思う?」と、友人がふいに聞いてきた。友人の意図は、察するに、“小野ゼミに入って良かった?”という言葉どおりのフラットな意味合い以外に、“こんなに大変なゼミに入ることは最善の選択肢だと思う?”というマイナスな意味合いも持ち合わせていた。それに対して、私は、若干の飲酒状態で雄弁にこう答えたのを覚えている。「就活をはじめ、知らない人と喋るときには、そのほとんどがゼミの話だったし、実際、ゼミの話をしているだけで、面接も突破することができた。小野ゼミじゃない世界線を体験しているわけじゃないから比較することはできないけど、小野ゼミに入って後悔するとかは全くないよ!」、と。そう答えた数分後、「逆にゼミ活動の中で後悔してることって何だろう。」と、自身を振り返ったとき、真っ先に頭に思い浮かんだのが、“三田論”であった。そこで、「三田論執筆活動とは何だったのか。」と、漠然とした疑問が生じた。私は、その答えを、そのとき考えたことを思い起こしながら、ここに書き記しておこうと思う。小説家気取りで、書き慣れない文章を書きながら、こんなに前置きが長くなってしまったのだが、三田論の執筆が始まった6月、私にとって、三田祭論文執筆活動は、“未知”そのものであった。ろくに文章を書いたこともなく、その能力が著しく欠けていた私は、何を書けばいいのか分からない、どう書くべきなのか分からない、こんなこと誰に聞いていいのか分からないと、分からないことずくめの執筆活動に大苦戦。正直、今になっても文章を書く力が身に付いたかどうかは、それこそ“分からない”のだが、22期に迷惑をかけまいと、三田論の研究内容について疑問に思ったことを積極的に聞くようにしたり、6人全員で書いた1章〜3章を何度も読み直して理解度で後れを取らないようにしたりと、自分なりに工夫しながら、なんとかこの期間を乗り越えることができた。夏休みに入っても引き続き、対面またはzoomにて作業をしながら迎えた10月13日。私にとって、三田祭論文執筆活動は、“積み上げてきた成果”となった。というのも、研究経過報告にて詳述したとおり、私たち22期は、法政大学で開催された日本マーケティング学会2025にて、U24ベストポスター賞を受賞することができた。しかし、この結果以上に私が嬉しかったことは、私の案がゼミ内で採用されたことであった。当時、私は、パッケージデザイン研究を行っていたことをどうにかポスターにも反映させようと、ポテトチップスの裏面をモチーフにしたデザインを作成した。このデザイン案が最終的に、実際に提出したポスターにも採用され、結果として実を結んだことが、私自身、三田論執筆活動(厳密に言えば執筆ではないような気もするが)に多少なりとも貢献することができたと感じて、何よりも嬉しかった。その後、しばらくの間、私にとって、三田祭論文執筆活動は、“困難”を極めていた。おそらく、22期にとっても、“困難”であったであろう。論文の原稿を何度提出しても上手く行かない。少し前進したかと思えば、杜撰なミスばかりで後退する毎日。今となっては、明らかに取り組み方や計画の立て方に改善するべき部分が多数あったにもかかわらず、目の前のミスだらけの原稿を前に、そこまで考える余裕もなく、自分自身を苦しめる以上に、貴重なお時間を割いてご添削してくださる小野先生にご心労をおかけすることとなってしまった。7月に入り(期間が空きすぎている、かつ、しれっと西暦も変わっているが)、私にとって、三田祭論文執筆活動は、“飛躍”に変わった。というのも、小野先生や院生の方々にご指導いただき、私たち22期は、三田論の研究成果を、7月最終週に香港で開催された2025 Global Marketing Conference at Hong Kongにて、6人全員で発表した。三田論を執筆していた当初からは全く考えられないほどの飛躍に心躍る想いであったのと同時に、これまで三田論執筆活動に携わってきてくださった、小野先生、院生の方々、21期の先輩方、OBOGの方々に対して深い感謝の念を抱いた。こうして半年の空白期間を経て、再開した三田祭論文活動であったのだが、その後12月に至るまで、私にとって、三田祭論文執筆活動は、再び“困難”を極めていた。前年の繰り返しかのような体たらくに、「本当に三田論を完成させ、卒論を今年度中に終えることはできるのか。」と、私を含め、22期一同、不安になりながらも、ある週には、小野先生のご自宅の近くにあるAirbnbの部屋を借りて、夜通し作業するなんてこともあったなあと、今ではそう回顧できるくらいには、必死になって取り組んだ(OBOGの方々からしたら、最初からそうしろ!と怒りを通り越して呆れられる話であるとは思いますが、本当にそのとおりだと思います)。12月に紙版での合格をいただき、1年以上遅延して終えることとなった三田論執筆活動の期間を鑑みると、卒論を完成させるまで明らかに残された時間が足りないことばかりに意識が向いてしまい、当時は完成したことに対する喜びを共有する間も本当に“束の間”であったことをよく覚えている。このように、三田論執筆活動を振り返ってみると、やはり最初に出てきたのは、“後悔”であった。最初からもっと計画的に進めていれば、もっと周りを頼っていれば、自分自身に足りていない能力を身に付けようともっと必死になって努力していれば。数えきれないほどの後悔の念を抱くこととなってしまったことに対しては、本当に悲しいし、悔しい想いでいっぱいである。しかし、「三田論執筆活動とは何だったのか。」この問いに対する答えは違う。それは、「突き詰めることの大切さを学ぶとともに、それに伴う大きな困難と喜びを得られる貴重な機会」である。なんだか締まりの悪い語になってしまったが、忠実に訳してみた。小野ゼミの活動を経験してきた人なら誰しもがそう思うであろうことだが、“より完成度の高いものを目指す”ことは、他のどのゼミにも絶対に負けない小野ゼミの強みの1つである。このことを身をもって知ったのが、この三田論執筆活動であった。そうして突き詰めていく中で、数々の困難を乗り越え、最終的に完成したことに対して、同じ研究を行った仲間とともに喜びを分かち合う。私は、この活動を通じて、かけがえのない仲間と、かけがえのない時間を共有し、かけがえのない経験をすることができたのだと思う。末筆にはなってしまいますが、これまで22期の三田論執筆活動に関わってくださった全ての皆様に感謝申し上げます(文の形式が変わってしまうことはご容赦ください)。はじめに、小野先生、約2年に渡って、ご指導ご鞭撻くださり、誠にありがとうございました。また、多大なるご迷惑をご心労をおかけしてしまいましたこと、大変申し訳ございませんでした。いつでもどこでも気軽に相談に応じてくださり、最後の最後まで22期を見放さず温かい愛情をもってご指導くださったこと、心より感謝申し上げます。続いて、院生の方々、21期の先輩方、OBOGの皆様、論文の執筆に際して、多くのご助言ならびにご指導を賜りましたこと、大変感謝しております。ありがとうございました。最後に、22期のみんな、他の代より行き詰ることが多かったと思うけど、みんなが頑張ってるから、自分も投げ出さずに頑張れたと思う。本当にありがとう。
井原 真衣
 三田祭論文の執筆活動を通じて、自分が意外と短気で面倒くさい人間であることが発覚した。夏休み中、同期から「あんたは言い方がきつい」「眠い時に機嫌が悪い」等々、子供が母親からもらうような指摘を食らったのをよく覚えている。自分のことを器が大きく大らかな性格の青年だと認識していた私にとっては、思いがけない指摘であった。しかし、その指摘を受けて以降、少しずつ自分の駄目なところを自覚していった。何気なく同期の心を抉るような発言をしてしまうことや、うまくいかないと不貞腐れる自分の姿が浮き彫りになってきたのである。そして、論文内の文章だけでなく、私自身の在り方も修正しなくてはという焦燥感に駆られた。

執筆活動を終えた2026年現在の私は、執筆以前よりもソフトで余裕のある人間になった(自己評価)。自分自身の内面の弱さに気づくことができたのは、紛れもなく同期のおかげである。そして、三田祭論文の執筆活動という共通目標がなければ、同期が私の内面に対して指摘することもなかったかもしれない。自分という人間の成長を実感する1年半の活動であった。

最後に、小野晃典先生をはじめ、三田祭論文の執筆活動にご協力くださった全ての方々に、この場を借りて感謝申し上げます。

井原 真衣
 先日、社会人の方と自分の未来のキャリアについてお話しする機会があり、その際に、その方から「仕事では、成果がなかなか出ずに、苦しむ場面がいくつもあり、あなたの理想としているキャリアにおいてはその現象が起きやすいが、どう思う?」という質問を投げかけられました。その質問を受け、私の頭に真っ先に思い浮かんだのは、三田祭論文執筆活動での日々でした。執筆初めの頃は、そもそも書き方が分からずに苦しみ、やっと軌道に乗り始めたと思ったら振り出しに戻り苦しみ、完成期限を過ぎてしまった頃は、期限を過ぎているにもかかわらず一才完成する未来が見えないことに苦しみ、成果が出ずに苦しむ場面ばかりであったと思います。私は、三田祭論文執筆活動をするまで、努力をしても前に進まないこと、時が問題を解決してくれないことを経験したことがなかったため、この経験を通して、成果を永遠に出せないことの苦しみを学ぶことができました。これは、三田祭論文執筆活動、ひいては小野ゼミに入らなければ実感することができなかったと思うし、社会人になる前に経験できて良かったと感じているため、心の底からこの環境に感謝しています。また、私は、スライドや画像の作成においてはチームに貢献できたものの、執筆においては文才のある同期に頼ってしまった部分があり、同期にも感謝の気持ちしかありません。三田祭論文執筆活動を通じて、同期のみんなからチーム活動のあるべき姿を学びました。ありがとう。最後になりますが、小野先生、1年半にもわたって私たちの三田祭論文執筆活動に関してご指導いただき、本当にありがとうございました。たくさんのご迷惑をおかけしているのにもかかわらず、最後まで見捨てることなくご指導いただけたこと、大変感謝しております。この活動を経て得た多くの学びを今後の生活に活かし、成果を出せるように頑張ります。
井原 真衣
 研究を終えたのは2025年12月末。私たちは1年という大幅な遅延をした。私が卒業論文の完成に苦戦した原因は、この論文であろう。本当に、本当に、自分の至らなさを感じる活動であった。先生に指摘を受けるたびに、なぜ私は気付けないんだろうか、と反省を繰り返す日々であった。ただその分すごく自分は成長することができたのだと思う。なんだかんだ人生うまくやってきた自分にとっては、自分の能力を疑い、欠点を克服することに費やすことができた。私は、自分が思っていることを言語化することが苦手であった。そんな自分と比べて同期は本当に優秀であった。陽向は言語化が本当に得意で、いつも彼を頼っていた。彼の考え方、ものの見方を習い、少しだけ言語化することができるようになった気がする。壮真はロジックの細かい矛盾や脆い点に気付くことができる。ちひろは文を書くのが本当に上手だ、皆タフで、私がくじけそうになっても元気付けてくれた、、挙げ始めたらきりがない。自分を卑下してきたけど、私自身の強みも知ることができた。私は、自分でいうのもなんだが、表現の揺らぎに気付くことが他の人より多かった気がする。あと、夜誰よりも長い時間起きて、作業できる忍耐力があった。チームの強さは、互いの欠点を埋め合い、強みを分かち合って相乗効果を発揮することができる点であると、再確認した。もう2徹し風呂キャンを極めて、目黒の深夜までやっている銭湯に駆け込むことはないのだと思うと、少し安心するとともに寂しさを覚える。私たちが作業に費やした恵比寿のマックもつぶれてしまった。毎回ホチキスを貸してくれたり、印刷前に確認している私たちを多めに見てくれていたファミマの深夜シフトの外国店員さんたちにも、もう当分会わない。恵比寿ガーデンプレイスの長椅子も、提出前の原稿にコメントを書き入れる場所ではなくなる。挙げたら止まらないほど、濃密な時間であった。このような経験は、小野ゼミでなければ決して得られなかったものである。
 最後に、1年半にわたる執筆活動において、私たちを見捨てず根気強く付き合ってくださった小野晃典先生に、心から感謝申し上げます。三年生の年に三田論が終わらない、而も前半章までしか執筆の終わっていない代、という前代未聞の第22期に対して、最後までご指導してくださり、本当にありがとうございました。そして大学院生の先輩方、何度も何度も相談に乗ってくださりありがとうございました。先輩方がいてくださったおかげで、何とか形にすることができました。そして第22期の皆、皆と論文執筆に費やした日々は、私が胸を張って頑張ったと言い切れる大切な思い出です。本当にありがとう。


20250807

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